暑さに慣れて来るまで特に気をつけてください
いよいよ暑い日が続くようになりました。毎年この時期頃からワンちゃんの熱中症に
よる事故が起きやすくなります。9月ころまでは飼い主の注意が必要と言われます。
気を付けてあげましょう・・
〇犬の平均体温は人間よりも高いものの、40℃を超えると危険な状態で、42℃超になると死
の危険があります。 汗腺が無い犬は体温が急上昇すると、体の熱を下げるために
パンティングと呼ばれる「ハァハァ」と激しい口呼吸をしますが、熱中症の初期症状では
パンティングが通常よりも速くなります
- 呼吸が荒く、心拍数もふだんより多い
- ・舌や口の中の色が赤い
- ・落ち着きのない様子をみせる
- ・よだれが多い
- ・自分で水を飲みに行かない、食べない
- ・ボーッとしている、フラフラしている
- ・横になって起き上がろうとしない
- ・ぐったりしていて、元気がない
病院に行く前に応急処置で覚えておくべきポイントは「日陰」「水か氷」「風」の3つです。
・日陰で犬の体に水をかけるか、太い血管のある部分に氷をあて、さらに濡れた体に風を送ることで体を冷やします。
- ・犬を日陰で涼しく、換気のよい場所に移動させる
- ・水を飲ませる(飲まない場合は、無理に飲ませない)
- ・犬の体に水をかけて、風をあてる
- ・氷と水をビニール袋に入れて作った氷のうや保冷剤を頭と首筋、のど、脇の下、
・お腹、内ももにあてる(冷やす場所は犬の太い血管がある場所を狙う、ただし冷や
しすぎないように注意する)
外出するとき気を付けたい事
〇お散歩や外出は涼しい時間帯を選ぶ
- 夏の散歩は朝晩の涼しい時間帯に行くようにしましょう。一度、真夏日に舗装され
た道路のアスファルトを手で触ってみてください。驚くほど熱くなっているはずで
す。真夏の炎天下では、高い気温、強い日差しだけではなく、輻射熱(ふくしゃね
つ)と呼ばれる、熱くなったアスファルトから放出される熱で、低いところはより
温度が高くなっています。
靴も履かず、人間よりも低い位置を歩く犬は、より暑く厳しい環境で道路を歩くこ
とになるので、外出時には、輻射熱についても頭に入れておかなければなりません。
〇犬の飲み物を持ち歩いて水分補給を行う
- 外出時は、脱水と熱中症を予防するために、水分補給のための犬用の飲み水を持ち
歩き、必要であればこまめに飲ませるようにしましょう。応急処置の際に犬の体に
水をかけるのにも役立ちます。また、うちわや扇子なども持っておくと安心です。
〇犬を車内に置いていかない
- 暑い日に犬と車で外出したときは、ちょっとの時間だからと車内に犬を置いたまま
車から離れるのは絶対にやめましょう。エアコンの入っていない車内は、窓を開け
ていたとしてもサウナのように暑くなり、犬が熱中症になる危険があります。
犬の中には、暑さに弱い犬種もいます。犬種の特性をしっかり理解して熱中症予防を行いま
しょう。特に短頭種の犬や被毛が密な犬種のほか、下のような犬は熱中症になりやすいの
注意してください。
〇短頭種パグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、ペキニーズといった、鼻ぺちゃ犬と呼ばれるマズルの短い犬種は、熱い外気を取り込みやすく気道が狭いため、熱を下げるために行うパンティングの効率も悪いので、熱中症になりやすいです。
〇毛が長く、厚い原産地がアラスカなどの寒い地方の犬種や、毛量の多いダブルコートの犬種は暑さに弱く、日本の気候では夏バテや熱中症になりやすい傾向があります。
〇毛色が黒い黒い色の被毛を持つ犬は、日光の熱を吸収しやすいので体温が上がりやすくなります。外出時は、水に濡らして着用させるクールベストなどの熱中症対策グッズを使用するのもおすすめです。
気道狭窄と肥満中高齢で、気管狭窄のある犬や肥満犬では、気道が圧迫されて呼吸がしづらくなるため、パンティングの効率も悪くなります。また、皮下脂肪によって体温が下がりにくくなるので、熱中症の予防として肥満にさせないように体重管理を行うことが大切です。
〇体力のない犬体温調節が上手にできない子犬やシニア犬、心臓病や呼吸器系、腎臓疾患などの持病のある犬、夏バテ気味の犬など、体力のない犬は熱中症になりやすいので、飼い主さんがしっかりケアしてあげましょう。