いくつ自分で思い当たりますか?・・・・・アプリシエイション

88のシルバー川柳  思い当たることが・・・


1 日帰りで 行ってみたいな 天国に

2 LED 使い切るまで 無い寿命

3 紙とペン 探している間に 句を忘れ

4 味のない 煮物も嫁の 思いやり

5 三時間 待って病名 加齢です

6 改札を 通れずよく見りゃ 診察券

7 二所帯を 建てたが息子に 嫁が来ぬ

8 女子会と 言って出かける デイケアー

9 起きたけど 寝るまでとくに 用はなし

10 つまずいて 何も無い道 振り返り

11 目覚ましの ベルはまだかと 起きて待つ

12 延命は 不要と書いて 医者通い

13 ガガよりも 派手だぞウチの レディババ

14 年重ね もう食べられぬ 豆の数

15 おじいちゃん 冥土の土産は どこで買う

16 年金の 扶養に入れたい 犬と猫

17 指一本 スマホと俺を 使う妻

18 忘れ物 口で唱えて 取りに行き

19 遺影用 笑いすぎだと 却下され

20 湯加減を しょっちゅう聞くな わしゃ無事だ

21 誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ

22 万歩計 半分以上 探し物

23 振り返り 犬が気遣う 散歩道

24 カード増え 暗証番号 裏に書き

25 少ないが 満額払う 散髪代

26 なれそめを 初めて聞いた 通夜の晩

27 まだ生きる つもりで並ぶ 宝くじ

28 これ大事 あれも大事と ごみの部屋

29 お迎えは どこから来るのと 孫が聞く

30 未練ない 言うが地震で 先に逃げ

31 「いらっしゃい」 孫を迎えて 去る諭吉

32 目には蚊を 耳には蝉を 飼っている

33 「お年です」 それが病気か 田舎医者

34 飲み代が 酒から薬に かわる年

35 歩こう会 アルコール会と 聞き違え

36 ボランティア するもされるも 高齢者

37 若作り 席をゆずられ 無駄を知り

38 聴力の 検査で測れぬ 地獄耳

39 中身より 字の大きさで 選ぶ本

40 入場料 顔見て即座に 割り引かれ

41 できました 老人会の 青年部

42 探し物 やっと探して 置き忘れ

43 妻の愚痴 頷いてたら 俺の事

44 なあお前 はいてるパンツ 俺のだが

45 クラス会 食後は薬の 説明会

46 腰よりも 口につけたい 万歩計

47 老いの恋 惚(ほ)れる惚(ぼ)ける 同じ文字

48 立ち上がり 用事忘れて また座る

49 場を察知 呆けたふりして なごませる

50 孫の声 二人受話器に頬を寄せ

51 無農薬 こだわりながら 薬漬け

52 留守電に ゆっくり喋れと どなる父

53 何回も 話したはずだが 初耳だ

54 孫帰り 妻とひっそり 茶漬け食う

55 婆さんよ 犬への愛を 少しくれ

56 デジカメは どんな亀かと 祖母が訊く

57 名が出ない「あれ」「これ」「それ」と 用を足す

58 ご無沙汰を 故人がつなぐ 葬儀場

59 お若いと 言われ帽子を 脱ぎそびれ

60 孫の菓子 ひとつもらって 諭吉だす

61 この頃は 話も入れ歯も 噛み合わず

62 深刻は 情報漏れより 尿の漏れ

63 いざ出陣 眼鏡補聴器 義歯携帯

64 介護して ふたたび芽生える 夫婦愛

65 くり言を 犬はまじめな 顔で聞く

66 妻旅行 おれは入院 猫ホテル

67 定年だ 今日から黒を 黒と言う

68 助手席の 妻は昔の 上司並み

69 恋かなと 思っていたら 不整脈

70 早送り したい女房の 愚痴小言

71 自己紹介 趣味と病気を ひとつずつ

72 老い二人 集金人に お茶を出す

73 妖精と 呼ばれた妻が 妖怪に

74 複雑だ 孫が喜ぶ 救急車

75 目薬を 差すのになぜか 口を開け

76 立ち上がり 用を忘れて 立ちつくし

77 妻肥満 介護になったら 俺悲惨

78 惚れこんだ 笑窪も今や 皺の中

79 ひ孫孫 名前混乱 全部言う

80 良い医者を 待合室で 教えられ

81 へそくりの 場所を忘れて 妻に聞く

82 景色より トイレが気になる 観光地

83 老一人 家電ブザーに 返事をし

84 喜寿だけど 恩師の前では 女子高生

85 三月前 教えた将棋で 孫に負け

86 手をつなぐ 昔はデートで 今介護

87 「こないだ」と 50年前の 話する

88 年重ね くしゃみするのも 命がけ。