安穏(あんのん)という仏教語、今こそ世界が安穏になってほしいです。
彼岸に入り私も今日は墓参りにいってきました。春、秋のお彼岸とお盆は欠かさないように
まだ来ている人は少ないようですが中日の20日には墓前の花もにぎやかになるでしょう。
それと同時にこの時期は4月1日付のサラリ-マンの転勤の時期ともなっています。
今日も出入りされていた営業マンが転勤の挨拶に来てくれました。
私も前職の時は、県外への転勤が続き去る寂しさとこれから出会う楽しみを幾度となく経験しました。
お彼岸でもあるので今日は三回目の伝統仏教について
新型コロナ、世界経済と社会が落ち着かない時こそ『安穏』を願います。
●ご詠歌
ご詠歌(えいか)の起源は花山法皇(968-1008)の西国巡礼にあるといわれています。
ですから、ご詠歌は流行歌や民謡などとは異なり仏教の信仰心と共にあるものです。
西国三十三観音のご詠歌はその巡拝時にすべて花山法皇が作られ、お寺に奉納されたものだそうです。
観音巡礼は当初、僧侶の修行として広まり、室町時代には一般の民衆にも深く浸透することになりました。
五・七・五・七・七の和歌(31:みそひと文字)に節をつけたものを「ご詠歌」と呼びます。
七五調または五七調の詩に節をつけたものを「和讃」と言いますが、この二つを合わせた
相称も広い意味で『ご詠歌』と言われています。
ちなみにお経に節をつけたものは「声明(しょうみょう)」と言われています。
ご詠歌には下記宗派ごとに流派があります。
〇高野山真言宗 金剛流(金剛講) 大正15年に発足し、古来よりあった大和流や妙音流
および中和讃などのご詠歌を取り入れ、かつ基本的な楽理を編纂して昭和41年に完成しました。
〇真言宗智山派 蜜厳流(遍照講) 金剛流と大和流を基に昭和6年に蜜厳流遍照講が創立
〇真言宗豊山派 豊山流(大師講) 西国発祥の長谷寺(奈良県)を本山とします。
〇浄土宗 吉水流(吉水講) 昭和26年に吉水講(よしみずこう)が発足
〇臨済宗妙心寺派 花園流(花園講・無相協会) 例年花園流全国奉詠大会を行います。
妙心寺開創は無相大師(関山慧玄)で中野市高梨家の出身
〇臨済宗南禅寺派 独秀流(南禅寺教会) 御和讃
〇臨済宗東福寺派 慧日流(東福教会) 御和讃
〇曹洞宗 梅花流(梅花講) 蜜厳流が曹洞宗の宗風に適している
いう事で選ばれ昭和27年に梅花流創立。毎年全国で大会を開催
〇天台宗 叡山流(叡山講・福聚教会) 毎年東西日本で奉詠大会を実施
●お坊さんを何と呼びますか
住職(じゅうしょく) 住職は住持職の略で、お寺を守る為の住み込み専従僧侶です。
お寺の代表者を指します。
聖人、上人(しょうにん) 学問と徳を兼ね備えた人の意味です。日蓮宗でよく使う呼び方
日蓮は大聖人、普通の寺の住職はお上人と呼ばれています。
浄土真宗でも親鸞聖人、蓮如上人を使い、格が上の高僧の呼び名
大師(だいし・たいし) 大師は偉大なる師の意味で朝廷から高僧に贈られた称号です。
日本で最初に称号を受けたのは、天台宗の最澄=伝教大師と
真言宗の空海=弘法大師で866年の事です。大師の称号を受けた僧は他にもたくさんいます。
和尚(おしょう) 和尚は梵語のオッジャ-の音写で、意味は先生または師匠です。
人々に接し教えを説く僧をさします。天台宗では「かしょう」
浄土宗では「おしょう」、真言宗では「わじょう」と読みます。
浄土真宗では使いません。曹洞宗では方丈(ほうじょう)と呼びます。